第3回 電子梨、稲作栽培の稲田農園を訪ねて(3/3)4.電子物性技術を活用した(電子栽培)の農産物について
炭素埋設や電子水散布を続けたことで梨の果実、木にどんな変化がありましたか?
梨の収量はそんなに変化ないとおもいます。でも味はまったく違いますね。
・口当たりがよい・・・・ 実のざらつきがなくなる・・・・肉質が丸くなる
・刃物を入れたときにスウッーと入る・・・・実のざらつきがない、きめが細かいから.。
・水分が多い。
・病でモノを食べられないという重症の方でもこの梨は入っていく
特に違うと感じるのは、収穫後の葉がいつまでも青々とくっ付いているんですよ。来年の果芽を充実するため、来年もまた取れるいうことです。通常、梨は収穫後、葉の色が変わって、ぱらぱらと落ちてきますよ。それがいつまでも青い。8月10日から始まって9月の中旬までが収穫時期ですが、収穫後10月末ごろまで葉が青々とついていますよ。それはほんとに違いますね。
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炭素埋設された梨畑
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葉がいつまでもついていると言うことは光合成がいつまでも続けられている。来年に向けての準備が既に始まっているということですね。
それと幹の皮がなんか若返ったような気がするんです。梨の木が健康であると言うことです。 梨の木の耐用年数は通常は25年から30年で切り倒して植え替えるものですが、うちの梨の木は老木・樹齢50年になってまだ梨の実が採れる。去年切り倒した梨の木は僕が10歳の時に植わっていた木ですが、まだ去年まで採れていましたよ。他の梨と一緒のように花をつけて、一緒のように実をつけていました。 |
A電子物性技術導入後の問題点または失敗事例等
電子を導入されて問題になった事例や失敗談などありましたらお話いただけますか。
炭埋をしてモンパ病(土の病気)がちょっと発生しました。植え直してもまた同じとこが枯れる。3年〜5年くらい位続きました。2回植え直して、3回目で何ともなくなった。その3回目は苗木を風呂場でチャージして植えたんですが、それが良かったのか止まった。土を掘り起こすことに問題があったんです。友達のつくば大学の橘先生もいわれていたんですが、土を掘り起こした時は下から順番に戻してあげなくちゃいかんよと。それをついに機械で掘り起こすもんだから。人間の皮膚と一緒で、肉は下にいって皮が上になきゃいけないのに、それが皮が下にいって肉が上になってしもうて反対になったら大変ですよね。つまり、地球はものすごく大怪我をしていることになるんですよ。そこで、いろんな病気が発生する。・・・・そのとおりですよね。今、人間が地球をずたずたにしてるんや、大きな高層ビルを建てたり、その為に地下を深く掘ったりしたりやとか、そんなことが地球の地軸を狂わしているんや。
Bその失敗をどのように克服したか
そのモンパ病はどのようにして克服されたのですか
稲田さんは梨畑の一部に白モンパ病が発生し、2回続けて一緒の場所が枯れてしまって、「これは一晩で駄目になるかも知れへんなー」と思い、苦肉の策として土壌消毒材のクロール−ピクリンという消毒薬(農薬)を使った。土に鉄の棒で穴を掘ってその中にそれを流し込んで土で蓋をしてやるんです。1週間そのままにしておいて、その後、消毒薬が浸透しているその土の中に電子水を大量に流し込んで消毒剤を洗い流してやる。土のガス抜きを目的としている。電子水だけでも消えたかわからへんけど・・・・・・と。あの時は菌糸が白く土の下に這っていましたね。モンパ病には紫モンパと白モンパがあるが、うちで出たのは白モンパです。心配でしたね。
見事に鈴なりに実った豊水梨
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*白モンパ病(子のう菌類)
<伝染方法>
被害根や粗大有機物から菌糸を張り巡らせてまん延します。
<発生条件>
強剪定、着果過多による樹勢低下樹に発生が多いです。
<防除>
未熟な堆肥や粗大有機物を園に施用しないこと。
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Cその結果得たその後の農法
クロール−ピクリンを使わなくても良かったのかもしれない。電子水だけでも消えとったかもわからへん。実際、その場で消えてしまって終わってしまったことだから。今はうまくいっているもんだからそれ以上の検証はしなかったです。
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5.今後の課題
@電子栽培における今後の課題をお伺いします
炭素埋設の量を増やすことやと考えている。炭素が多いと磁場が高まりよりいいものが取れる気がする。それに、自分が畑の上にいて気持ちがいい、疲れない。梨の収穫時の作業は中腰で、ひざとか腰の負担が多いので、それが楽にならへんかなーと思っている。たとえば、電子風呂の中にいるみたいな感覚で作業ができたら最高ですよね。
炭素埋設とかにお金がかかりすぎる・・・。余裕がないですわ!お米がもっと高くならないといけないと思います。僕が作り初めた頃は26000円/表だったですよ。高い時は30000円/表で売れていました。昔は米を作っておったら、2町歩も作ったら金持ちでしたよ。「金蔵建てて蔵建てた。」・・・・・という時代でした。ところが、いまはその日の生活をするのが精一杯ですよ。
年間の収支は計算してみればわかるでしょ!6町歩の田んぼで400表×16000円/表=620万円 これが我が家の収入/年ですわ。生活費に農機具や倉庫の修理費・・・。特に大型の農機具は非常に高い。例えば、コンバイン(550万)、田植え機(300万)、トラクター(450万)・・・。どれも10年経ったらまた新しい農機具を買い換えなくてはいけない。でも、コンバインやトラクターはそれだけの仕事はしますよ。10町歩、20町歩の田んぼや畑もあっという間に片付けてくれる。
6.将来の展望
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僕は企業的な採算ベースを考え、上乗せしてモノを売るという、そんな考え方はしない方なんですよ。農業は農をなりわいとする。それ以前、それ以後のことは知らなくていい、その時(部分)だけを知っていたら農業はできる。いかにコストを下げて高く売るかを考えて物を作る。
僕は自分のことは農業とはいわない、百姓だと言っているんです。百姓は食べてくれた人のことを思って、ものを作るから百姓なんです。消費者の顔が見えとらないと百姓ではない。食べた人が喜んでもらい、健康になって、ずーと買ってもらえるのが百姓なんです。作る前の時から考えて・・・・例えば鶏糞を田んぼに入れるとすると、その鶏糞は何を使ってきたか・・・・とか、除草剤は使わないようにしてとか・・・いろいろ考えて・・・・この除草剤が海に流れたら、川に流れたらどういうふうになるのか・・・・・それまで考えていくと貧乏しかないわけですよ。ハハハハ・・・。何とか飯だけ食わしてもらったらいいのかなーと。
しかし、自分自身も、それを考えた上で成り立つ農業を考えないと、次に引き継ぐ者は躊躇しますよね。
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梨畑を受け持っているおじいちゃんと
稲田さん夫妻とお孫さん
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だから、息子に百姓を継いでくれとはよう言わんですよ。息子が言って来たら仕方がないが・・・・農繁期の、5月の連休頃の田植えの時期はめちゃくちゃな生活ですよ。忙しくって。僕は若い頃、それが嫌で嫌で百姓をどうにかやめようと考えていました。若い頃は電気工事とかの仕事をしていました。人にアゴで使われ、ストレスをため、自分は性格的に、この世界では通用せんとわかって、百姓をやるしかないと思って百姓をやってるわけです。でも、今、僕は田んぼは6町歩つくっているけど、一切消毒なんかしていませんよ。農薬をかけないと害虫なんかが集まってくるが仕方ない。でも収量は7から8表/反は獲れます。収穫した米も全て自分で売っている。生き残るにはこの方法しかないと思った。普通のことをやっていたら15000円/表でしか売れない。僕は20,000円/表で売っています。他とは違うんやと・・・・その辺を理解してもろうて買ってもらっている。
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無農薬栽培の稲田全景
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無農薬栽培の武器として木酢液とかEM菌なんかも使っている。他にも山野草の中でいろいろなものがある。ハーブ(例:ジュウヤク、ニーム等、結構カメムシに効く)とかのエキスを使ったりとしている。
田んぼのあぜでいくらでも手に入ります。木酢液+にんにく+唐辛子、EM+唐辛子を漬けておくとかしてエキスを取り出し、電子水で1000倍とか500倍ニに薄めて田んぼとか畑に使っていますよ。農薬の代替になるものを常に勉強していかないと、害虫にやられっぱなしになる。
ところが、そんなにもやられないですよ。思ったより、そんなにひどくない。他の人は田植えのときに稲水ゾウムシの薬は必ず使うけど僕は一切使わない。どうして使わないんかと言うけど、ひとつも苗が消えていかないじゃないか。害虫の食害にあって成育が遅れても、苗が消えていかないじゃないか・・・・と。人よりも収量は少ないか分からないけど、7表くらいは獲れる。消毒せんでも・・・・・その分経費もかからへんやんか・・・・・と。ヘリコプターでやってもらったら 10アール3300円かかるかな。自分でやれば0円やからな。
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木酢液は炭やさんからたくさんもらっている。唐辛子、にんにくは・・・・・自分でつくっている。ニーム(インドセンダン)も友達から格安にわけてもらえるし、雑誌や自分で勉強している。大学でも聞けばいろいろ教えてくれる。山野草はオオバコ、ジュウヤク、ギシギシ、スギナ等虫が食わないものを探せばいい。
EM菌、木酢液、山野草の活用に併せ、これまで稲田さんが長い間経験してきた電子物性技術(植物波農法)・潜在勢力との組み合わせにより新しい無農薬栽培の形が見てきた感じがした。
ニームとは
害虫に対して「奇跡の木」としてアメリカや欧州をはじめ、世界各国での認知はもちろん、日本でもその効果から大きな話題を呼んでいるのが、薬木「ニーム」です。ニームの日本名はインドセンダンといい、その種子から抽出した液にはアザディラクチンと呼ばれる非常に強力な餓死能力を持つ成分が含まれています。人や農作物には害がなく、200種類以上の害虫に効果があるといわれています。インドでは数千年も昔から虫下しや胃薬、歯磨き、虫除けなど、民間の治療薬として広く使われてきました。またハーブなどとともにアーユルベーダといわれる伝承医学の重要な原材料のひとつでもあります。
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今回の取材で、稲田さんの百姓にかける熱い思い、無農薬栽培を目指して電子栽培や様々な農法を研究、導入され、食の安全・安心に向けて日夜奮闘されているお話をうかがうことができた。現在、稲田さんはじめ、心ある農業に携わる方の意識は、環境を守り、食の安全・安心に心を砕き、日本古来のやさしい農業を目指そうと考え始めているようだ。今こそ、「静電三法」に書かれている潜在勢力を活用した「植物波農法」を皆さんと一緒に研究し、実践する時代にきている。今回の記事が、これからの日本の農業のあり方を考える1つの参考になればと思いながら筆をおく。
平成19年7月27日取材
大塚啓恵
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