平成20年1月25日 ベジマルファクトリー取材
第7回 驚異の炭素埋設の効果(1/4)
野菜(カット野菜)本来の味を提供するベジマルファクトリー!
三重中央農業共同組合・代表理事片岡組合長の“静電三法”の技術に思いを込めた信念
ベジマルファクトリーの施設概要
● 所 在 地/三重県津市一志町井生1158番13
● 創 業//2006年7月1日
● 事業内容/管内産の野菜を主原料にしたカット野菜の製造及販売
● 施 設/敷地面積:5000u
● 延床面積:1.346.2u |
緑豊な大自然に囲まれた環境に位置するベジマルファクトリーは、安全、安心の地元の新鮮野菜を加工(カット野菜)する製造工場だ。ベジマルファクトリーは野菜のカットから包装まで行い、単一JAの施設で最大級の1日10トンの処理能力がある。床面積約1350平方メートル。事業費は約5億5干万円で、国の補助事業を活用した。英語のベジダブル(野菜)の「ベジ」と丸ごとやフランス語のマルシェ(市場)の「マル」を組み介わせて名付けた。
“静電三法”の技術(電子技法)を工場内外のいたるところに取り入れ、これまでには考えられなかったすばらしい成果がでている。中でも、鮮度を保つため、洗浄には野菜の酸化を防ぐ「電子エネルギー水」を使い、また衛生管理.の上からも大地電位を整え腐敗菌、病原菌の繁殖を抑える炭を敷地に埋め(炭素埋設、敷炭)、その成果が製品の品質向上に大きく影響する結果を得ている。
これまでは契約栽培農家50人からキャベツ、にんじん、ハクサイ、ダイコンの4品目を中心に年間約1,000トンを仕入れ、数年後には新たな栽培農家の獲得など規模拡大とともに、キュウリやネギ、レタスなど品目増を進め生産量約2,000トンに増やす計画だ。
販売先は外食産業や病院など業務向けが中心で、カット野菜の袋詰め、野菜と調味料をまとめた鍋セツトなど計50種類以上の品目を製造している。一般家庭向けの惣菜も生協や地元量販店などで販売している。
代表理事の片岡眞郁組合長は「輸入農産物の増大や担い手不足など、農業環境は厳しいが、この施設は地場農産物に付加価値を与え、農家所得の安定や地場産業の振興に貢献できる」と力説する。農家を大切にする組合長の暖かい心根と経営理念に感服した。輸入野菜や食品の残留農薬や混入事件が危惧される今日、ベジマルファクトリーの試みは、日本人の食の安全、健康問題への取り組みとしても先駆的であり大いに注目される。
その基礎としての“静電三法”の技術に思いを込めた片岡組合長の信念を是非、全国の方々にお伝えしたい。
片岡組合長にベジマルファクトリーを作られた経緯からお話を伺った。
@ベジマルを造られた理由
Q:ベジマルファクトリーを作られた経緯は・・・・・・?
米作りについては約2,000町歩の田んぼがあるんですけども、最近特に米の生産というのが、再生産が出来ないような環境下で今年も昨年度をまた下回る価格になってしまったというのが現状なんですね。それでも裏作とか上手に二毛作をしながら、ある程度の数値は立てているんですが、これではいけないということで・・・・・・。キャベツの生産が三重県でダントツの1位で160町歩くらいの面積を誇っていましてね、非常に良いキャベツとして関西を中心に、1日に多い時はトラック20台位を出荷しているんですけど、この農産物(野菜)で一番困るのは価格が不安定なことなんです。
数年に一回は高いけれども、あとはもうー全然・・・。一昨年度は、田んぼでキャベツをトラクターで踏み潰す光景をテレビ放映されていましたけど、生産農家は生計がたてられないわけですよね。 |
片岡眞郁組合長
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それで今回、このような状況にある野菜を使いやすくカット加工してテーブルへ即出せる。レストランや家庭で包丁を使わなくてもいいようなスタイル・・・・・・それがもう海外では主流となってきていますが、きっと日本も10年後にはそういう市場が広がるのではと考え、思い切って他所のしてない事をしたということなんです。しかも、台所でカットした直後のような、高鮮度で美味しく、しかも安全で健康に良い状態で提供できたらと・・・・・・。
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ベジマルファクトリーの概観
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ところが今までのカット野菜でほとんどの加工業者の皆さんが困っているのは細菌の問題なんですよ。
カット野菜で細菌数が基準に満たないと商品としてとってくれないし、利用もしてくれないということになってしまう。そこで、どこのカット野菜工場を含む食品加工工場では消毒、殺菌を徹底的にやるんです。
私も電子技法に出会って炭素埋設の効果を知るまでは、それが当たり前と思っていました。環境が良くなる、食品も良くなるという面でしっかり体験させてもらいました。
以前、私が潟~エ・ミートの食肉加工センターで所長をしていた頃、その施設には2,000万円位の電子の設備(炭素埋設、敷炭、イオン装置)を投入した施設なんですけど、そこでは加工工場内の悪臭がまったくなくなり、冷蔵庫内の浮遊菌が激減し、製品の品質保持期間が驚くほど延びたり、また、庫内の製品の熟成スピードが速まり、製品の味がまろやかになったり、添加物(保存料)を極端に減らしてもよくなる等、他所とは全く違う商品が出来たんです!また、肉屋さんがビックリする素晴らしいハムができるということを体験しました。
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それで、是非、炭を使った施設を作って、少しでも皆さんに喜んでいただく商品作りができないかなということで提案し、関係者の皆さんの理解を得てこのベジマルファクトリーが完成したわけなんです。
炭素埋設、敷炭で約5,000万円を投入しました。
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Q:炭素は全部で何トンくらい使ったのですか?
30トン位ですね。
Q:かなりな投資で?
このベジマルの施設の建設費は約5.5億円かかりました。
電子水などの設備の3,800万円を入れると、電子の技術だけで約9,000万円ですから総建設費の一割以上かけました。
Q:それだけの投資をされて電子の技術を取り入れたわけは?
そうですね、 これまで“静電三法”の技術をいろいろ体験してきて、皆に、“炭の威力っていうのがここにあるんだ!!“というところを見せようと思って一生懸命やったんですけれどもね。パンフレットも本来ならば商品を並べて表示するのが普通ですけど、ご覧のように商品は掲載していません。水、炭、人の3つのこだわりを前面に出したパンフレットに仕上げています。商品を示さない、こんなパンフレットはどこにもないですよね。
Q:片岡組合長のその「3つのこだわり」とは?
薬品消毒を最小限に、消費者の健康と食品の安全・安心を追求した新鮮なカット野菜を皆様へお届けしたい!ということです。 |
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後藤真也さん
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Aベジマルファクトリーの「3つのこだわり」とは
皆様に安心して召し上がっていただきたいと常に考えています。
お届けするのは「商品」ではなく、「食品」だからです。
水へのこだわり
・電子エネルギー水使用
〔命を守る水〕
健康に調和する電子水の7つの条件
@有害な物質を含んでいない。
Aミネラル成分がパランスよく含まれている.
B酸素と炭酸ガスが十分に溶け込んでいる。
C水の硬度が高すぎない。
DPHは弱アルカリ性である。
E水の分子集団が小さい。
F活性酸素を消去する力をもっている。
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電子水製造装置
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炭へのこだわり
・工場の環境を守る
〔野菜を生かしています〕
人や植物に良いといわれる炭を敷地内に埋設して、
より良い施設環境を整えています。
●冷房・暖房効率が良(なる。
●工場の老朽化が遅く、長持ちする。
●エネルギー効率が良くなる。
●機器類が長持ちする。
●脱臭効果で悪臭をカット。
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基礎の部分に敷炭
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人へのこだわり
・絶え間ない努力
〔良いものを届けたい気持ち〕
「商品」ではなく「食品」だから…。
努力を惜しまず、加工・チェック・研究開発を続けています。
自主検査の実証
●数値・記録による実証
●検査・検証の記録と保管
●迅速化とリスクマネジメント
●リアルタイムな情報の開示
●現場へのフィードバック
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検査風景
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以前のミエ・ミートでも、電子技法の技術を使った工場で他とはまったく違う差別のできる方法で食肉を加工してきましたが、その時のパンフレットも、商品はほんの少し下の方にあるだけ・・・“こんなパンフレットで売れますのか”ってメーカーの方から言われたんですけど・・・・・それは何故か分かりますか!・・・・・・安心・安全の商品をお届けするにあたっては、これだけの努力というか、こういった電子の施設で、これだけの安心、安全に繋がる投資をしている事を理解してもらわなければならないと思ったからです。」
製造する側から提供する愛着のある商品を、消費者に安心して食べてもらう為には、“これだけの事はしてあるよ!”という事を胸を張って伝えたかったし、また“それに答えるだけの結果”は出ている!という事にも繋がってきますし・・・。
Bベジマルは減薬品で清潔な省エネ工場
・一般の工場と比べ電気代、薬代が1/2で済みます
ベジマルを作ってからちょうど1年半近くになるのですが、現実、電気代は少なくなっていますね。大体これだけの機械を導入しますと、通常の工場では200万円/月くらいの電気代はかかりますけど、ベジマルでの電気代は100万円/月くらいで済みます。
それから薬品代なんですが、最初は薬屋さんもこれだけの施設だとたくさん使ってもらえるだろうと喜んでいたんですが、創業当初に消毒しただけで、後はほとんど消毒薬がいりません。
通常のカット野菜工場では、ドーンというほど薬を使っています。普通、これだけの規模でしたら月200万円位の消毒、殺菌の薬代はかかります。そうしないと基準に合う細菌数まで減らせないんです。
Q:それ以降 一切薬は使っていないんですか?
水道法で決められた原水への次亜塩素酸だけで、他の薬品はほとんど使っていません。自信を持って言えます。
それに、一般のカット野菜工場(野菜の加工施設)だとオゾン殺菌装置は必ず設置します。まずはオゾンの装置で2,500万円〜3,000万円投資しなくてはいけないのですが、このベジマルファクトリーではオゾン装置は入れていません。
まあ、最悪の事態・菌が出て、なんともならなくなったら後で入れようと思っていたんですが、必要ないということが証明できました。なにしろ、見てもらったら分かりますが、消毒といったら作業者の手を消毒するアルコールのビンが置いてあるだけなんです。一般の食品加工工場では考えられないことですよね。
Q:では、一般の工場ではどういう事をしているのですか?比較してみられましたか?
簡単にいうと、他の工場に比べると水道法で元水に入れる次亜塩素酸の濃度が極端に低いですね。ベジマルの工場では、現在80ppmの濃度の次亜塩素酸を使っていますが、他の加工工場ですと、元水に200ppm以上の濃度までいれているようですよ。
2倍以上・・・3倍近くですね。
はい。ベジマルファクトリーでは1/2以下の濃度でしっかり制菌ができています。
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加工処理室
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それだけ炭の力(炭素埋設)で、薬なんかも良く効く環境になっているというわけですか?
ええ、次亜塩素酸は地下水を汲み上げる給水管の一番元で80ppmの濃度のものを入れていますが、まともに200ppmも入れたら、大変な事になります。よく効くんです。給水管の元で80ppmの濃度の次亜塩素酸を入れるだけなんですが、出口の加工室の蛇口では200ppmの濃度を超えて出てきます。
不思議です。それはもう環境が良いものだから薬の効能効果がドーンと出てきます。あれはほんとに不思議です。
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ちょっとその辺が、よく分からないのですが・・・
ベジマルの施設で使う水は地下水をポンプで汲み上げて使っているので
水道法の規則で井戸水の原水は一旦、殺菌をしなければならないというこ
とで、給水管の元で次亜塩素酸を200ppm入れる設定になっているんです。
他所の井戸水を使っている施設では通常、次亜塩素酸を200ppm入れて
も菌は居るということなので、それを殺すために220ppm位の濃度に上げ
なければならないんですね。
ベジマルの場合は、給水管の元で80ppm入れると出口の加工室の蛇口では200ppmになっているのです。ということは、約1/3のやさしい濃度で200ppmに値する殺菌力を持つ水になっているという事になります。
先に話したミエ・ミートでハムを作っていた時も同じようなことがありました。ハムというのは防腐剤(ソルビン酸)を使わないと商品は作れないのですが・・・。
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包装室
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規制の問題もあるし・・・?
その食肉加工施設でも800uの敷地に電子の設備に約5000万円の投資をして、その1/3以上の費用で炭素埋設を行いました。そういった炭素埋設を施した上の環境下では、他所で使っている量の半分以下の防腐剤(ソルビン酸)でハムが出来ていましたよ。炭素埋設を行った一番最初の年には、他所のところで使用している80%位の量のソルビン酸を入れて作ったんですが、濃度がきつ過ぎると感じたもんですから、もう少し量を落としても菌は死ぬのではないだろか?と思い、怖かったけど、ソルビン酸の量を少しずつ落としていきましたが“菌がいない”。・・・・
もっと落としても、やっぱり“いない”。現在ではソルビン酸の量は半分以下になっていると思います。
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品質保証室
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