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平成19年11月28日 寺田本家取材
第6回 生命が喜ぶ本物の酒造り(3/3)
人の役に立つ酒・百薬の長を作ることが自分のテーマです!
【寺田本家のこれからの展望】
電子は不思議ですよね。イヤシロチを作り出していく。電子を取り入れて20年になりますけど、自分でも腸を手術し、家族も11人いますけど、誰も医者に行かないし、薬も飲まない。自分も地元の教育委員長なんかやりまして、予防接種とかやってもらわないと困るといわれるんですけど、そういうのも一切やらない。でも、何でもないんですよね。
自分の父親も、母親も自分の年代にはガンになって、亡くなっていますけど、20年前から全然医者要らず薬いらずで暮らしているんです。やっぱり電子不足が病気の場になっていくという、まさに楢崎さんが捉えたとおりですよね。現在、自分だけが勝手にそう言っているんではなくて、そのように捉えている人が大勢出てきましたよね。そういう時代になってきているんですね。だから、一番の先駆者の楢崎さんは白い目で見られたりオカルトに見られたりするのはしょうがなかったということでしょうかね。
Q:「醗酵道」という道を極められて、これからどう広げていこうとされているんでしょうか?
A:イヤシロチというのは醗酵場でもあるわけですが、醗酵させて作るものには味噌やおしょうゆとかいろいろなものがありますが、お酒もそうなんですね。日本酒は太古の昔から「うれしき」
「たのしき」 「ありがたき」の3つの「き」が重なって「オミキ・(御神酒)」と言われ、その語源になったと言われています。また、上古代人は生命の感受性を「アワ」と表現し、身を入れて身につく思念を「ミ」と表現したそうです。
現在の政治の世界のいろいろな問題、経済の改ざん事件、教育の問題など、いろいろな問題が今までの観点からいくと行き詰まってきている。何が正しいか、何が間違っているかというより、突破口は嬉しき、楽しき、ありがたきなんじゃないかと思うんです。
一方で正しいということが、他方ではどこかが間違っているということで、そこに対立が生まれ争いが生まれる。経済体制でも資本主義の世界、共産主義の世界、いろいろな世界が生まれましたけど、これらが対立しあっていますよね。何が正しいというのではなく、何が嬉しいのか、何が楽しいのか、何がありがたいのかという切り口からものを考えていくことで、そこに醗酵場が生まれるんだと思います。
蔵の中で醗酵の説明をする寺田社長
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醗酵場というのは、本当の幸福、本当の健康を作り出す場のことで、まさに、マットウに活性するための根拠を書いたものが「静電三法」であり、「相似象」であるわけですね。これに立ち返って、本当の幸せとは何なんだろうかと考えることが大切ですね。物、金ではないと頭ではわかっていても、実際に追っかけるのは物、金、名誉、地位なんですよね。
人間の頭を使うことによってどんどんケカレチに向かっている。その軌道修正の時が、今やってきているんではないかなと思っているんです。それは、いろいろなマイナス現象が起こるんですけど良くなるための現象で、相似象では身につくという言い方をしていますが、頭でわかるんではなくて、身でわかってくる、一人一人が本当に腹の底から 「ああこうなんだなー」ということを捉えていかなくては、どんどん脱線していくという現象があちこちで起きていますね。
本来の、自然の、あるがままの、いろいろな見えないものの力によって生かされているということに立ち返らないと脱線、転覆は免れない・・・ということに気付きだしたんではないかと思います。
水とアルコールの合体したものがお酒ですから、そのお酒を通して、皆さんに、私共のお酒作りで楽しくなっちゃうお酒を提供したいと思うんです。それを提供することで、いろんな所で微生物のような生き方に帰る。自分らしく楽しく、仲良く、争いの種、不幸の種を撒き散らすのではなく、幸せの、共に生きていく種をお酒からも発信できるんじゃないかと思っているんです。
Q:寺田さんのそういう考え方を話される場というのは増えつつあるんですか?
A:ありますね。自分は変わり者ということで、業界からはつまはじきされ、いろんなところで白い目で見られているわけですが、しかし、皆さんが私の本を読んでいただいたりするのもその一つですが、大きく時代が変わってきたなと感じています。
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Q:この本は、酒作りを知っている杜氏さんが読んだら、自分では言葉には出さなかったけど、自分が体感したのはこれだという杜氏さんがいっぱい出てきても良さそうですが・・・・こういう酒作りを、もう一度やらせてほしいとか、今まで知らなかったけど、こういう酒作りをやりたいんだ・・・と言う人がでてくるんじゃないんですか?
A:もう出てきていますね。うちの杜氏さんの藤波良寛さんの話を是非聞きたいと言う方もでてきたり、自分も毎日のようにあちらこちらに引っ張り出され、「醗酵するとうまく言っちゃうよ」という話しをしています。・・・・・・
今の時代は、難しいことを考えないで、醗酵してわくわくしちゃえばいいんだ、わくわくすると言うのは、まさに嬉しき、楽しき、ありがたきで、オミキ(お神酒)の人生なんですね。桶の中だけではなくて、身体の中でも、家庭の中でもそういう現象が起こり、社会でも起こり、地球でも起こり、現実に起こりつつあるんではないかと思います。面白い時代に差し掛かっていると思いますね。
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Q:そうですね、教育の面では、最高学府である大学の教育者も醗酵させないといけないですね。意識が腐敗していて、何のために研究しているのかがわからない、自分の名誉と論文発表で評価されることのために研究するという方を時々見受けますが、それとまったく別の次元で研究されたのが楢崎さんだと思いますね。
その当時、楢崎さんの所に多くの学者、研究者、技術者が集まって日本の戦後復興のために時代を先取りする大変な研究をしていたわけですが、昭和30年代、40年代の日本の高度成長と共にそれぞれ去って行ってしまった。本来のことを教えてもらいながら、他の人にそれを教えずにやってきた方々が、今、もう一度、“本来とは”を考え直すべき時期なんだと思います。この本にも取り入れられている楢崎皐月氏の心が求められているのではないかと思います。
A:我々小さな蔵が認められるには鑑評会で金賞を取ることなんですが、うちでは金賞は欲しくないと思っています。駄酒作りの蔵だという評価をされているんですが、それは自分の誇りでもあるわけなんです。今の流れは、金賞を取る蔵が腐ってきて、やめざるを得ないという現象があちこちでおこってきて、逆に駄酒を作っている蔵が口コミで広がってきているという不思議な現象がおこっている。楢崎さんの頃には潰されちゃったんでしょうけど、今の時代はこういうものが評価されてつつある。
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発芽玄米酒 「むすひ」MUSUBI
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楢崎さんもそうだったと思うんですが、白い目で見られても、自分から湧きでるものでやらざるを得ない・・・だから、皆から叩かれたと思うんですけど、叩かれても皆の前で発表する役割があるということだったんだと思うんですけどね。
私共も、お金になるということではなくて、潰れる一歩手前の蔵が、また300年以上に亘ってお酒造りをやらさしてもらっているということは、何かの役割があるのではないかと思っているんです。それは本当の幸福、本当の健康というものを呼び覚ましていく、そういう役割があるんだと思っています。
具体的には、玄米で作ったお酒・「むすひ」(MUSUBI)というお酒があるんですが、これまで玄米ではお酒はできないといわれていたんですが、10年くらい前に伊勢神宮の古い文献に出会って、発芽玄米からお酒ができるようになったんですが、飲んだ人から、血糖値が下がったとか、血圧が下がった、糖尿病が治ったとか、あちこちから聞かれるようになったんですね。
自社の無農薬の稲穂から採取した麹菌
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知り合いの醗酵に注目する医師は、自然醸造で手間ひまかけて醗酵熟成したものは、腸の機能を活性化し、副交感神経を刺激して血管を拡張させ血行を良くするのだといいます。副交感神経が高められれば自律神経が調整され、内分泌のバランスが取れ、免疫機能が活性化する。発芽玄米酒「むすひ」(MUSUBI)はそういった機能のある質の良い発酵食品だといってくれました。
また、「自然酒」というお酒があるんですが、これは天然の麹菌で作ったお酒なんです。これは自分のたんぼで作った無農薬の稲穂から採取し、その菌で作ったものなんですが、昔はどこの蔵もこういう菌で作っていたんです。今のお酒作りの原点だったんですね。
どうも、微生物というのはそれ(天然の麹菌)に答えるようにして、既にどこかで待っていると思いますよ。本来の醗酵菌というのは自然のものが大好きですよね。
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こういった一連の流れの中で、楢崎さんが言ってたこともそうなんですけど、最近、波動ということがよく言われていますが、波の法則、つまり自然界は波で出来ていますから、波の法則によって、自分が投げ出した波というのは必ず戻ってくる。だから、嬉しき、楽しき、ありがたきを発信していれば、たくさんの人に伝わって、どこかで自分に戻ってくる。そういう循環だろうと思っています。
「醗酵道」の嬉しき、楽しき、ありがたきの基に、「静電三法」の技術が活躍していることを目の当たりにし、心地よい醗酵の香に酔いしれながら寺田本家を後にした。
平成19年11月28日取材
大塚 啓恵
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寺田さんご夫妻、石田さんご夫妻と河邊社長
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