第1回 楢崎皐月氏の直弟子・松原喜一さんを訪ねて(7/7)5.
相似象学の実践(T)
牧場経営「1万頭の養豚場」(続き)
(2) 養豚場の立地と施設
「養豚センターは優先線上にある25,000坪のこの敷地に移しました。敷地の中央右手にある自動糞尿処理施設では豚の糞尿を質の良い堆肥を自動的に仕上げるものです。堆肥は温度差をつけることによりより良いものが出来ます。自動糞尿処理で糞尿の水分だけを飛ばし、固まったものだけを回収して籾殻と混ぜる。乾いたらパラパラで臭いも少ない。珪素が多い堆肥が出来上がります。養豚センターの周りの柿畑もこの堆肥を使っているので化学肥料はいらない」とおっしゃる。
案内された豚舎に入ると消毒液の入った容器が部屋の入り口に置いてある。全ての豚舎を出入りする作業員の方もこの消毒液で長靴を消毒してからでないと入室できないシステムとなっている。
1,000頭〜1,500頭の豚が1施設で飼育されており、豚舎の部屋の両側に自動餌供給装置と豚が自由に飲める自動水供給装置が備えつけられている。目の前でピンクの鼻を上に向けた豚が自動給水装置で水を飲み始めた。かわいい!
松原さんは「豚の特性をきちっと踏まえて飼育するのが肝要です。」と・・・・獣医師の言葉だ。
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養豚センター 豚舎の中の豚
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豚は水を飲んだところしか糞はしない。その習性を押さえてこの豚舎のシステムを構築したのだという。また、衛生上、誰でも入れない。今回、私達は特別に入室が許可されたのだ。
経営面から見た養豚業については“早く大きくすることが重要です。”と。豚の餌やり、糞尿の処理は全て自働だから1万頭の豚の管理も6人だけで行っているという。
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自動給水装置から水を飲む豚
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ポイントは
・豚舎の場所は相似象により優勢線上に立てる
何本かの優勢線が縦横に重なったところがベストです。
事故(病気等による死亡)がほとんどありません。
・多頭飼育 ・・・・・1マスに豚10頭を飼育することを原則とする
・雑種交配、色交配することにより、早く出荷できる豚になる。
・3回/日の豚舎の空気の入れ替えを必ず実施。豚舎の臭いが少なくなり、
温度差を与えることで元気な豚が育つ。
・100kgになったら出荷する。
ことだそうです。 |
この地域は3mもの雪が積もる豪雪地帯だが、ドームの中の堆肥の温度で豚舎の屋根には雪は積もらない。また、松原さんのこんな工夫も・・・・豚舎の壁面を利用して雪が豚舎のすぐそばには積もらないように工夫している。
また、豚舎に適時、外気を導入し温度差を与えることも元気な豚を育てるのに大事なことだそうだ。
母豚の豚舎を外から見せてもらった。豚分娩室(子供をとる豚舎)もすべて自動で出産させているという。それは企業秘密ということで車中からの見学となった。
「静電三法」の相似象学に基づき最適環境に豚舎を配置し、自然のエネルギーを取り入れる知恵と同時に飼育技術にもさまざまな工夫を凝らしている。豚舎というとすぐに悪臭を思い浮かべる人が多いと思うが、松原さんは養豚場を“牧場”と呼んでいるように、畜舎の内外とも養豚センター全域がさわやかな環境となっている。相似象という自然の力のすごさに驚かされるばかりである。
楢崎皐月氏に直接指導を受け、街づくりにも、事業(養豚)にも、もちろん自宅の健康生活面においても「静電三法」の相似象学、植物波農法を永年実践されてきた松原さんは、今となっては数少ない楢崎皐月氏直弟子の「静電三法」実証者であり、継承者である。
松原さんは当年81歳とお聞きしたが、顔の張りやお話しぶり、また身のこなしは、私にはとても60歳後半にしか見えなかった。松原さんの取材は2日間で15時間にもおよび、長い時間の取材にも松原さんご夫妻は、細かい気配りと快い対応で接していただいた。感謝いっぱいだ。
取材を終え楢崎研究所の職員として、今、私達ができること、また、しなくてはけないことを問い直してみた。「静電三法」の理論を基に楢崎先生が伝えたかったこと、教えたかったことを正確に把握し、継承していこうとする実践者の方を一人でも多く増やすこと、また、新しい視点で宇宙・自然界の理に対する真の理解を深めるための研究と実践の輪を皆様と共に大きく広げていくことと確信した。
2006年(平成18年)11月22日、23日取材
楢崎研究所 編集部 大塚啓恵
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